Everybody's fine

[rakuten:hmvjapan:10419278:image]
見た。

奥さんを亡くしたフランク(ロバートデニ―ロ)が、いつもやってくる4人の子どもたちのために準備をするところから話は始まる。ところが、4人とも急にやってこれないという。それでフランクは一人一人の子どものところに会いに出かけるという話だ。一人目はNYシティに住む芸術家のデイヴィッド。しかし留守。電話も通じず、置き手紙をして去る。二人目はシカゴに住む長女。しっかり者の彼女の家に行く。2,3日泊まりたかったのだが、1晩だけしか泊めてもらえない。彼女は広告会社の共同経営者として仕事は充実しているようだが、夫とはどこかぎくしゃくしている。そして夫と息子は完全にうまくいっていない。3人目、デンバーのロバートのところに行くことになった。彼は交響楽団の指揮者をしていると思っていたが、本当はパーカッションを担当しているだけだった。しかも、泊めてもくれず、明日ヨーロッパに行くという。4人目のラスベガスに住むダンサーのロージー(ドリューバルモア)を訪ねる。大きなアパートに住んでいる。しかしどうもこれは本当の家ではないことがわかる。そして友達の赤ちゃん(娘の子どもだとわかる)を一夜預かる。フランクはもう、家に帰えりたいと言う。そして翌日本当は健康上、乗れない飛行機に乗って帰ろうとする。しかし、飛行機で心臓発作に見舞われ、病院に担ぎ込まれる。病室に集まったデヴィッドを除く3人を見て、「デヴィッドは?いつ会える?どこにいる?」と聞く。お父さんの期待に応えようと頑張ってきた子どもたちはお母さんには本当のことが言えていても、お父さんには本当のことが言えていなかったのだ。しかし、もうデヴィッドのことを言う時が来た。「デヴィッドは死んでしまったんだ。ドラッグでメキシコで逮捕されたときに接種過剰から、死んでしまった。」と告げられる。泣き崩れるフランク。その夜子ども姿のデヴィッドが夢枕に現れ、期待に応えられなかったことを謝る。そして去っていくときに、フランクが厳しく当たっていた末っ子のデヴィッドに「I'm sorry」と言う。すると、デヴィッドが「It's not your fault.」と言って一瞬大人姿で現れ、また一瞬で消えてしまう。「デヴィッド」と叫ぶフランク。

何、ヶ月か後、退院したフランクは、今回の旅の報告を奥さんの墓前でする。
彼は問題が沢山あることを知りながら、「Everybody's fine」と言うのだ。
みんな子どもは大きくなった。それぞれのやり方で進んでいることを静かに受け止めるフランクだった。

ロバートデニ―ロの演技が素晴らしい。ブルーカラー労働者の悲哀みたいなものをよくあらわしている。自慢の子どもたちもそれぞれ問題を抱えていることを発見するフランク。それを受け止めていく物語。そのなんともやるせない感情を魅力的な表情であらわしている。


デヴィッドが夢枕に出てくるところは本当に泣ける。





いま、上の子どもたちと離れて住んでいるから、本当によくフランクの気持ちがわかる。
みな、大きくなった。みな忙しくなった。みな それぞれにやっている。みな自分の人生がある。もう一緒じゃない。さようならを受け止める。



わたしもフランクと同じ。おろかなおろかな母親だ。


にほんブログ村 映画ブログ アメリカ映画へ