スケールの差

この間、アメリカ人のお友達に茶道のおこりを説明したとき、
「Tea ceremony is rather a new thing for us. It started only 500 years ago.」
と言ったら、
「Is that rather new?」と目を丸くした。



そうなのだ。
この国は若い国だった。
独立宣言を出したのは、1776年なのだ。




そういえば、息子のアメリカ人の友達が家に来て、
お醤油のビン(ヒゲタ醤油だったと思う)
にsince 1616と書いてあったのを見て
「WOW!!that is even before the Pilgrims!」
ととても驚いていたことがあった。




東京ですら、日本では新しい町だと
京都出身のわたしは思ってしまう。


高校時代、友達の家に遊びに行った時、
おばあちゃんが出てきて


「いやぁ、ようおこしやしたな。
このうちももうぼろぼろですねん。
みとくれやす、ここんとこ。
これな、こないだの戦争のときの傷ですねん。」
と教えてくれた。


わたしは
「こないだの戦争って?第二次世界大戦
京都って被害にあってないのんとちゃいますか?」
と聞いたら、


「何言うてんの、こないだの戦争いうたら、鳥羽伏見の戦争やがな。」

はあ、そうか〜とびっくりしたことがある。

おばあちゃんにとっても、鳥羽伏見くらいは
ついこないだの感覚なのだ。


何故かというと、
京都ではそのあたりに普通にあるお地蔵さんも
平安時代小野篁さんがつくったもんらしいとか
遊んでいた田んぼの中のこんもりしたところも
だれかえらいひとの古墳らしいとかと言われたり、
また古い祠みたいなのも
お大師さんが学校たてはったとこや
などと説明されたりしたものだ。
時間を計るスケールが違うのだ。


お大師さんの祠にしても、
ついその辺にすんでたおじいちゃんのように気軽な感じだったのに
実は、奈良時代から平安時代に活躍した空海なのだ。

それが自然にそのあたりにあって、
いくつか千羽鶴なんかがぶら下がったりしていたのだ。
今もそうなのかな。



そんなことをつらつら思っていたら
隣で地学を勉強していた息子が急に爆笑。


「どうしたの?」
「すごいよ、活断層の定義ってさ、
比較的新しくできた断層で、百六十万年以降より活動した断層なんだって。」
「百六十万年って比較的新しいんだ。」

う〜ん

京都も
地球の歴史のスケールとは
全く比べ物にならない。



そしてわたしたちの住んでいる地域は
大きな岩盤の上にあるらしい。
その岩盤は数億年前からのものらしい。

なんかすごいぞ。
そのころまだ日本列島は影も形もないはずだ。



もう
ちっちゃなことで
くよくよしたり
いらいらしたり
むかむかしたり
している場合ではない。
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