群れを率いる

鳩山さんか急に辞任したことに対して
たくさんの議論がされている。


USA TODAYの鳩山辞任の記事のコメントに
4th in 4 yares! Definitely should raise a doubt about the leadership in that country.
と書いているアメリカ人(住所書いてなかったけど、多分)がいた。


タイム誌の鳩山辞任の最初の書き出しも
クリントン大統領が、
「僕が任期中に相手をした
日本の首相は何人だと思う?
7人さ!」という
びっくりトリビアからだった。


日本のマスコミの論調はどうなのか、
日系新聞も、
テレビも入れてないから
ネット以外の
一般的な報道がどうされているのか
よくわからない。


しかし、
こんなに変わって情けないとか
思っている人も多いのではないだろうか。



日本と欧米のリーダーシップのあり方について
雁の渡りヒントを得て
http://d.hatena.ne.jp/oba3inUS/20100218/1266459126
こんなことを去年書いたことを思い出す。


雁の群れを率いる話だったが、
日本語と違って英語では
「群れ」と一口に言っても、
たくさんの言い方がある。


思いついたところをあげると、


狼などはpack
大型草食動物はherd
魚、オットセイなどはschool
昆虫はswarm
鳥類はflock
だ。

言語社会学を勉強したことはないけれど、
「群れ」にこんなに
たくさんの名前があるのは、
英語は狩人が使う言葉から
発生した言語だからではないかと思う。


だから英語人の発想する
リーダーというのは
猟犬や狼など
狩をする群れのリーダーがモデルだと思う。


リーダーを頂点となすピラミッド。
そして、
チームの成員は
彼が最強の力を持っていることを
よく理解して、
よくついていく。



一旦たてたリーダーを仲間内で
下ろそうとするよりは
狩をして
獲物が得られるかどうか
何回かためしてみる。


何よりも
リーダーが一番強く、
隅々までその権力が行き届かなければ
チームはよい狩ができない。
そのことをチームのメンバーも理解している。



『ウサギ一匹に統率されたライオンたちの軍隊よりも、ライオン一頭が統率するウサギたちの軍隊のほうがましだ。』(Napoleon Bonaparte)


とナポレオンも言っている。



わたしたち、日本人のリーダーモデルは
こんなにたくさんの首相が入れ替わりしても
暴動も何もおきないことを考えると、
やはり、
鳥類モデルなのではないだろうか。




日本人は団体行動がすきだとか、
流されやすいとか
「個人」がないとか言われるのも
日本人が「鳥類タイプ」の民族であると
思うとある程度納得できる。


また、欧米人が
チームプレイというときに
思い浮かぶ
「個人」という土台がある上での
個性を生かしてチームに貢献するイメージは
彼らが「猟犬タイプ」の民族であると
考えるとわかりやすい。



今の日本の問題は
世界中の人々が「鳥類タイプ」だと
勘違いしてしまいがちなことではないだろうか。
ここに、普天間問題も絡んでくると思う。




世界には百戦錬磨の
「猟犬タイプ」チームがたくさん存在していることを
忘れてはならない。


だからといって、
急に「猟犬タイプ」の国になったほうがいいとも
思わないし、
急になれるとはまったく思われない。



ただ、「猟犬タイプ」が狙っているかもという
その自覚は必要だ。



表だった激しい議論の応酬や
戦いがなくても
敵というより
仲間からの突き上げで
水面下でやりあいながら
でも
阿吽の呼吸で
空気を読みながら
わりとあっさりと
順番でリーダーを交替させて
群れを率いていくわたしたちのやり方が
かなり特殊であることは
日本の人々も今回の騒動をきっかけに
ある程度は気づき始めていると思う。

そして
それじゃ、ダメだ、
これじゃあ、
世界で戦えないと
思っている人も多いと思う。


しかし、
自分達が
「鳥類タイプ」の日本人であり、
その「鳥類タイプ」の日本人が
急に
リーダーだけを
「猟犬タイプ」にして
作ることはものすごく難しいことであるという理解は
あまりされていないと思う。


それは、本当にとても難しいことだ。
日本人全体が
「猟犬タイプ」の民族になるには
どれくらいの時間がかかるのだろう。


江戸時代から平成まで
と同じくらいの時間がかかりそうだ。
革命でも起こさない限りは!



わたしたち、地球に住んでいる人類は

一体いくつの「タイプ」の国や、
民族があるのだろうか。
狩猟民族、農耕民族、遊牧民族
大雑把には分かれるんだろう。

しかし、
どんどんその「タイプ」の垣根が
崩れて行っているのは確かだ。



やがて、一つの地球タイプ人類になるんだろう。


それまでに、
「鳥類タイプ」が「猟犬タイプ」
に一方的にやられてしまうのか、


あるいは
タイプが融合していくのか、


徐々に「猟犬タイプ」のやり方に
吸収されていくのか
わからない。


ただ
「鳥類タイプ」の一員である私は、
「猟犬タイプ」の国々に
こういうのもあるんだよ
と「鳥類タイプ」のちょっと違った
視点を発信していければ
これから地球に住む私達も
案外面白い人類になるのではと思う。



今、
日本には、日本のシステムがあり、
欧米と違うリーダーシップの国も存在すると
主張する気がなくて、

「猟犬タイプ」のリーダーが
欲しいのなら、



自分達からまず
「猟犬タイプ」にならねばならないことを
よく自覚しよう。


リーダーシップも群れの性格によってちがうはずだ。