サッカーと社内公用語(ワールドカップに寄せて)

日本では、楽天ユニクロの社内公用語が英語になったと話題になっているようだ。

ビジネス用語、世界公用語リンガフランカと考えて、ふと思い出したのは中国系アメリカ人の友達と交わした昔の会話だ。

それは、彼の家でそこのうちのおばあちゃんが中国のテレビを見ていたときのことだった。そのテレビでは中国語で放送しているのだが、中国語の字幕がついていたので、「なぜ?」と聞いたら、「中国語と一口に言っても、北京語、広東語、上海語台湾語などあってね。同じ中国語でも、それぞれ発音や文法、漢字も違うんだよ。そこで中国政府は標準語に統一しようとしているのさ。でもね、そうなる前にきっと英語が世界の言語になるよ。」というのであった。弁護士の彼は、ドイツの自動車の合併などに関わっていたので更にこう話してくれたのである。「クライスラーダイムラーベンツが合併したね。本社がアメリミシガン州とどいつのシュツットガルトにあるんだけど、そのドイツのシュツットガルトでは、ドイツ語ではなくて、英語で会議なんだよ。」それは1998年ダイムラークライスラーが合併した翌年ぐらいのことであったのだ。


その後、ダイムラークライスラーは大方の予想通り上手くいかずに、2007年にクライスラー部門を売却して、合併はなくなった。今回ちょっと興味が湧いて今現在のダイムラー社の社内用語はなんだろうと調べてみた。すると、社内公用語は英語とホームページに記載してあった。

ついでに色んな企業も調べてみた。フィンランドノキア、ここも社内公用語は英語と記載してある。デンマークのレゴ社は、1975年から社内公用語は英語とあった。エアバスはフランスに本拠地があるものの、もともと多国籍で会社が始まったので、設立当時から社内公用語は英語だそうだ。

調べてわかったことは、ヨーロッパはEUになりユーロが通貨として流通し始めた2002年からはからは、大企業ではない小さな会社であっても、地元で働く弁護士であっても、英語ができないとビジネスになりにくくなったということだった。



つまり、今行われているムスコカサミットの参加国では、2002年以降はロシアと日本以外の地域では、社内公用語を英語にしてビジネスを行っているということだ。



こうなると、業種によるけれどやっぱり英語を使いこなして、同じフィールドにのらんとあかんのでは?と素人の私は思ってしまう。

もちろん、胸襟をひらいて、社内でコミュニケーションするためには、日本語を使うことは大事だと思う。でもそうして日本語でみなで考えた面白いアイディアを英語にして発信できるとすてきだ。発信して受信してまた新しい考えがでくるその過程を誰か英語のできる人任せにするんではなくって、一人一人ができると面白いし、その一人一人が日本人でなくてもそれはそれで面白いチームだ。


グローバル化するってことは世界標準にに合わせることではないはず。日本の企業には地球というフィールドで、次次に日本の技をかけまくってほしい。勝ちをねらってほしい。一々監督の顔みながらゲームをするんではなくて、サッカーのように自分で考え動きながら、チームでの勝ちを奪い取ってほしい。


その為には、何か新しい工夫が必要だ。その工夫の一つに社内公用語を英語にするがあってもいい。何もしないであれこれ考えているより、やりながら考える位のスピードが必要な時代ではないだろうか。


それに、フィールドはネットになってるかもしれない。インターネット人口で使っている言語の割合は1位が英語で、2位が中国語、3位がスペイン語、4位が日本語だ。(Wikipediaより)やはりもう、翻訳コンニャクやC3POの出現を待っていられない。



それに、言語は人間の行動や発想もまた変えるところがある。英語は論理的な言葉だ。結論を先に言う。新情報は一番最後。日本語と逆だ。だったら、日本語の発想・行動だけでなくて、英語的発想・行動もできると2刃流で戦えることにならないだろうか。その危うさはあっても、いざとなればいつでも刀を一本捨てればいい。どっちも使える方がいい。そう、利き足ともう一方の足、両方使えるサッカー選手の方が強い。最初から両足を使えるというより、利き足あっての両足ということさえ忘れなければいいのではないだろうか。