人生の最後まで好きなことをして生きるために

日本の受験塾の説明会などで
MARCH以上でないと今就職は厳しそうだ
という大学生の現状を聞いたりすることがあった。


それは私がまだ日本にいた2年前の話しなので、
リーマンショック直前のことである。

今はどういういわれ方をしているのか
知らない。



当時はそのような 話を聞いて
「大変!うちの子は是非MARCH以上の大学に入れなきゃ。
そのためには何々?中高一貫校に入れた方が有利なのね。
ということは、中学受験だわ。」
あるいは
「MARCH以上の大学に沢山合格者を出している高校にいれなくては。。』
と思った保護者が少なからずいたと思う。


しかし、
それは実に恐ろしいことだったと思う。


何が恐ろしいかというと、
大人の判断としてそのような事を
大人が認識してもよいかもしれないが、
そんなことを
親から聞かされる中学生になるかなったかならないかの
少年少女がそういう単純な考えを
を信じきってしまうのが恐ろしい。


彼等に
「〜でなければ〜できない」
というパターンで思考してほしくない。


「〜までに〜をしなくては、もう間に合わない」
「〜するには〜が不可欠」
とかもどうかと思う。


こういう論調の中には確かに
事実も含まれていると思う。



でも
何がどうなるか
そんなことみんなわかってたら
リーマンショックだって起きなかったし
この不景気だってすぐに脱却できるはず。


我々人間はまずは
生きてる内は変化する。
死んでから
体重が減ったり、
身長が伸びたり、
趣味が変わったり
恋をしたりできない。


生きていると
いろんな要素をはらんでいる自分が
いろんな要素をはらんでいる生物と出会い、
そこでケミストリーが起こって
自分も環境も変化していくのだ。


変わらないものはない。


15年前の今日、
ちょうどWindows95が発売された
とニュースで言っている。


それから15年たって
今年のアメリカの大学新入生は
eーmailをしない
腕時計を持たない
筆記体を使わない
と話題になっている。
だれが15年前に3歳だった彼等が
eーmailを使わないで
フェイスブックやテキストメッセージや
ツイッターでコミュニケイションをすると予想したであろうか。



今の中学1年生が大学卒業して
会社に勤めようとするまでに、10年。


今の高校一年生が大学卒業して
会社に勤めようとするまでに、7年もかかる。


その間にどんな社会変化が起こるのか
わからないじゃないか。



そんな未来を生きる子供達に
「〜でないと〜できない」
という発想を植え付けてどんな子供を育てようとするつもりか。




そんなことよりも
わからない世の中だけど


自分の肉体と
今ある時間を有効に使うと
その先に面白い事が起こるかもしれない。


自分がどうしてもやりたい事を
後回しにしないで
やりたい事を先にやってしまって(!)


尚且つ
やんなきゃいけないこともやれるように
するには
どうしたらいいんだろう

または


ある時間内に
やりたい事とやらなきゃいけない事を
ちゃんと両方ともやりきるにはどうしたらいいんだろう


そういう知恵が絞れる子供を沢山作った方が
日本も地球も先がある。


大林監督が何かのエッセイで
こんな文章を書かれていた。

袋に色々な種類の豆が入っているのを見て、
先生が
「君は好きな方を先に食べる?
それとも嫌いな方を食べて好きな方を残すほうかい?」
と聞かれ、
『嫌いな物を先に食べる』のが正解かと
思いながら
「好きな方を先に食べます。」と答えた。
すると先生が
「そうだね、そうすると、最後まで好きな方を食べることができるね」
と言われたそうだ。


私は思う。
「〜でないと〜できない」と
脅して好きなことを後回しにし、あるいは禁止して
いつも好きじゃない方を先に食べさせるようなことをしていては
人生の最後まで『好きじゃないこと先にする』人間になってしまう。
そして人生の最後なんていつくるか、
だれにもわからないじゃないか。



一度きりの人生。
自分が目をつぶれば、
世界は消えるのだ。

目を見開いて
挑んでみよう。




自分が世の中を渡っていくには、素手では厳しい。
しかし
世の中で勝負できる術を10歳から25歳位の間で
必死に身につけようと2年間くらい歯を食いしばって
頑張れば、
きっと生きていける。


2年以上頑張れば、
「成功」することだってできるかもしれない。


それは所謂「勉強」じゃないかもしれない。
「遊び」の中にあるかもしれない。


だって、今の日本の文化で世界で脚光を浴びているものを見よ。
「ANIME」「MANGA」「GAME」
これらが日本の立て役者になるって
40年前に子供だった私は思わない。
でもみんな大好きだった。
日本の子供達が
やめられないくらい好きなものが
今になって世界へと花開いたんだ。


子供達よ
頑張るものは
なんでもいい。
やりたい事をバンバンやってくれ。
そして
これで世の中を渡ってやる!と思ったら
頭か体かまたその両方を必死で使ってほしい。


大人達よ
子供達を信じて
未来を信じていこう。
時には苦言をいいながら
それでも信じていこう。
そう、子供達が幸せになるために、
子供達が
今もそして人生の最後まで好きなことをして生きるために。