essay

SMILEY FACE

あなたは見知らぬ人の微笑みにふと癒されたことはないだろうか。 擦れ違い様に微笑みかけられて、 暖かいものがこみ上げてきたりしたことはないだろうか。悲しくつらい時、落ち込んで投げやりな時 全く知らない誰かから邪気なく差し出された小さな温情。 今…

待春

2月も末になり、暖かく感じる日も増えてきた。昼間、お日様が照っているときなど、特に暖かだ。 と、ここまで書いて、「ひ」のことを考えていると、「ひ」という日本語は一つでたくさんの意味を内包しており、それを漢字で別にあらわして「日」「火」「灯」…

青と赤

日本語は青の守備範囲が広い。 みどりも青って言う。 青芝とか、青菜とか。 青森だってきっとすごくみどり濃い森に違いない。 そう思うと、青森って素敵な名前だ。 青森といえば、リンゴも青リンゴとかいうけど、 あれは、英語ではblue appleではないな。 や…

雁わたる

アメリカのこのあたりではまだあちこちに雁がいる。 学校のグランドなどは雁の糞だらけで、サッカーするのも滑って大変そうだ。そんな雁だが、大空をわたっていくときにはつい見とれてしまう。 大きなVの字の群れをつくってわたっていく。 Vのとんがったと…

ドアの役目

玄関のドアが開かなくなった。というより、閉まらなくなった。こう、雪模様が続いたので、ドアの下の木枠が水を含み、膨張したからか、ドアを開けたら、もう二度と閉まらないという状態になった。寒い上に防犯の点から見ても、このまま放置はできない。大家…

旧交を温める

22年ほど前出会った当時青年だったけど、今はもう立派な中年になったアメリカ人の旧友に家族で会いに行った。 NJスパルタというところに大きな家を構えている。 15歳と8歳の息子さんがいる。 美味しい牛肉のローストを作ってくれた。 暮らしはつつま…

価値観と迷惑

さまざまな価値観を認めよう的な発言はよく日本でもされる。 しかし、日本では自分の価値観を守ろうとすることには、結構脇が甘いと思う。なんとなく人と合わせるということを習慣、行動、発言、意識、無意識のさまざまなレベルでしてしまうという国民性に理…

どうでもよいこと

どうでもよいようなことを考えるのは好きだ。 でも、どうでもよくないことを考えねばならないときだって人生にはある。人生の節目。 決断を下して、自分の進退や方向を決めるとき。そういうとき、本当にじっくり考えぬいてきたか、というと そうでもない気が…

光るものは美しい

今日は、昨日とうってかわって、お日様がたっぶりと光を降り注いでくれた。 真っ白な雪の粒一粒一粒がお日様を受け止めて、輝いている。 反射してあちこちがきらきらしてまぶしい。美しい景色だ。人間は、こういう景色を見るときれいだと思う。人間は宝石か…

ARTIST

うちの郵便ポストもかなり埋まってしまった。雪かきをした。ついでにお向かいのジャネットおばさんのところもした。彼女は一人で住んでいる。80歳半ばくらいだ。彼女はARTISTだ。今ちょうど、グリニッチホスピタルのガーデンカフェというレストランで彼女…

「どんより」考察2

世間はスーパーボウル真っただ中である。 http://www.daily.co.jp/newsflash/2010/02/08/0002697056.shtmlきのうは、「どんより」長期化による昼夜逆転現象が石器時代からあったのではないか、そしてそれはきっと悪いことばかりではなく、そのエネルギーは命…

「どんより」について考えたこと

今日は体も心も重く「どんより」している。一日家にいて、大した家事もせずに、DVD見たり音楽を聴いたり、本をよんだりしている。その割にすっきり感はなく、「どんより」感が体の芯にたまっている。これは心の疲れの本質か。そういう「どんより」がたま…

ねこのおじさん

冬になるとすっかり庭木が枯れて、坂道の向こうの大きな家から我が家が丸見えになる。そこにねこのおじさんが住んでいる。クリスマスの朝、寒い中を犬の散歩に出かけた時、初めて「Hi,It's freezing cold, isn't it?」と急に声をかけてくれ、それ以来よく立…

さがしもの

夫を駅まで送った後、ドライブウェイの雪かきをした。一インチくらいの積雪だけど、温度が低くなってそのまま凍ったりしたら面倒だと思ったから、息子を学校に送る前に雪かきをすることにしたのだ。車が5台停まるくらいの面積なのだが、結構汗ばむくらいの…

チャックとフィル

グランドホグデイにテレビに放映される有名なグランドホグは、ニューヨーク州からスタッテンアイランド動物園のチャックとペンシルバニア州からパクソントーニィの森に棲むフィルと2匹がいるようである。どうもこのグランドホグデイの天気予報は、日本におけ…

グランドホグデイ

グランドホグは、うちの裏庭にもよくちょろちょろ出てくる動物である。ジリスの仲間と言うことだが、リスと言うよりモグラのおっかさんのような感じのコロコロ太った小動物である。アメリカの言い伝えによると、冬眠していたグランドホグがふと目覚めて巣穴…

full moon

丸いお月さまを追いかけながら高速を走った。地平線から顔を出したばかりの大きな月が林に隠れたり、また行く道の真ん前に現れたりするのを繰り返しながら走った。だんだん空が暗くなると、月はだんだん明るくなる。 「月はマイナス16等星なんですよ。」 …

ゆき

今朝雪が降った。降り始めるとあっという間に積もってしまう。こんなに軽く存在感がないようなものがはらはらと降ってくるだけなのに、数分後にはもう庭は真っ白な世界になってしまう。なにかとても不思議だ。 雪が降っている時に空を見上げると無数の雪が次…

悲しみと喜びのバランス

ずいぶん昔の出来事でも、悲しかったことや、いやだったこと、自分の一番痛いところをぐさりとやられてしまったような出来事は、つい昨日、心にペンが刺さったように、生々しく思い出されることが多いように思う。それでも、その痛みは「時間」という神の叡…

コヨーテ

今日、ラジオでコヨーテがグリーンバーグという割と近い街で出現し、54歳の散歩中の女性を襲った後、ピットブルという種類の犬も襲ったと報道していた。ヘリコプターでそのコヨーテを捜索中だそうだ。目撃者はご一報くださいということだった。 コヨーテは…

まほうつかい

魔法使いは両親をえらんでうまれてくるという。どんな人を両親に持つのかを生まれる前によく相談してからくるらしい。そんなことを、タロット占いの先生が書いた怪しげだけど、面白い本に書いてあった。http://www.amazon.com/s/ref=nb_sb_noss?url=search-a…

すべては与えられている。

今日久しぶりに友達から電話をもらったら、彼女が自分の故郷のスイスに今番飛び立つという電話だった。急いで彼女に会いに行ったら、彼女はとても小さくなっていた。車いすに乗っていた。髪の毛が少なくなっていた。細くなっていた。寒そうだった。荷物がと…

ピーター

うちの庭にうさぎさんがよくくる。中学生の息子がピーターと名づけて、追いかけたり、そっと近づいたりして遊んでいる。ピータージュニアも最近は出没し始めた。逃げるとき、おしりの白い毛がぴょこぴょこ上下してかわいい。